台風対策で窓に養生テープを貼るか
Twitterでなんかバズってる
僕は絶対貼らないです。
— Sakai 🌐📲 Web系おかま (@sakai_web) October 10, 2019
論文が出ており、
5ミリのガラスが耐えられる圧力は5400パスカルに対し、
米文字みたいにテープ貼った場合、耐えられる圧力は3800パスカルまで下がります。
アメリカ海洋大気庁もハリケーンが来た際絶対窓にテープ貼らないよう公告をしています。
誰信じるかは自己責任で! https://t.co/HrgMt8JaUU
ってやつ。テープを貼ると強度が下がるような論文が出ているらしいので読みたいなあと思ってリプライで訪ねても教えてもらえなかったので調べてみました。
論文が出ていると書いてあるので論文を当たってみたのですが全く見つからず。
ぶら下がってるリプライを見てみると
もっとエビデンスを出します。
— Sakai 🌐📲 Web系おかま (@sakai_web) October 10, 2019
アメリカ合衆国国土安全保障省が出した災害対策ガイドラインにこのような記載があります。https://t.co/Q0rRaPJUDK
テープによる窓ガラス補強は全く持って意味がないとの事。 pic.twitter.com/rvjncVpcSC
米国国土安全保障省のガイドラインがエビデンスとして示されていました。論文があるなら論文を出せ。
原文を見てみますと
Taping your windows is a waste of time and energy. It provides little strength to the glass and no protection against flying debris. Once a Hurricane Warning has been issued you should shutter your doors and windows for protection.
とのことで、『テープを貼るのは時間と労力の無駄。ガラスは全然強化されないし飛んできたゴミの前には無力。ハリケーン警報が出たら雨戸を閉めろ。』(超訳)という感じです。
本人がエビデンスと言うからにはテープを貼ると強度が下がるというデータを示してくれるのかと思えば物が飛んできたらテープは無力…みたいな文章が出てきました。
というかここにも『絶対窓にテープ貼らないよう』には書いてありません。
あの論文が見つからない(・ω・`)
— Sakai 🌐📲 Web系おかま (@sakai_web) October 10, 2019
以前見たことある
と言っているのでどこかには存在するのだろうと思ってインターネットを徘徊していますと、
台湾のテレビ番組が出てきました。
そしてこの番組の撮影に関する中華民國內政部建築研究所の『業務報導』が見つかりました。→ 建築研究簡訊第88期 《業務報導》 | 中華民國內政部建築研究所
これによると
以CNS 11526最大壓力值3,600Pa換算等值風速,大約為75.6m/s,均遠遠超過蒲福風級表的17級風(約56~61m/s),從本次2組試驗結果可看出,光是普通玻璃即可抵抗如此的風速,即使是台灣歷年來最強的颱風所造成的風壓,還不及玻璃完全沒貼膠帶的抗壓強度,更何況目前一般家庭所採用的窗扇產品常為強化玻璃或其它膠合型玻璃。因此,當颱風來襲時,玻璃的破裂較可能是被風所吹起的異物所擊破的,是否應貼膠帶以防玻璃破裂飛濺傷人,則可由建築所有人、使用人自行決定。
『3,600 Paは風速約75.6 m/sに相当するので、普通のガラスでさえ台湾で最も強い台風に耐えられるし、一般家庭で用いられるガラスは強化ガラスだったり複合ガラスだったりする(のでより強い)。そのため、台風が襲来した際にガラスが割れるのは風で飛んできた物体の衝撃による可能性が高く、ガラスの飛散防止にテープを貼るべきかは家主や住人が自由にすると良い。』(超訳)とのことです。
つまり、風のことだけ考えたら普通のガラスは割れないけど物が飛んできて割れたときに飛散しないようにテープを貼るかは各自決めてね。といった感じでしょうか。
元のツイートの発信者さんが言うように、テープを貼ると強度が低くなる*1ようですが、それでも風によって割れるほどには弱くならないようですね。また、物がぶつかって割れたときの飛散防止のためにテープを貼るべきかどうかについては明言していません。
さて、では我々は窓ガラスにテープを貼るべきでしょうか?
やはり米国国土安全保障省の言う通り雨戸を閉めるべきでしょう。雨戸がある人は。
あとはFNNがYKK APに聞いてくれたので、見てみましょう。
テープを貼ることには多少は意味があるようですが、それよりは窓ガラスにものが当たらないように対策したほうが良さそうです。具体的には米国国土安全保障省も言っていた雨戸を閉めるとか、木材を打ち付けるとか。
あと今回参考になりそうな資料を見つけたので共有しておきます。京都大学防災研究所監修の『台風時の強風災害に対する対応』という資料です(PDF注意)。 http://www.taifu.dpri.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/k.pdf
京都大学防災研究所監修の『台風時の強風災害に対する対応』では「窓ガラスの飛散を防ぐために」、ガムテープを貼ることが示されています。 https://t.co/OaxQxGCGOB pic.twitter.com/YQK2OQJE5n
— ておりあ (@_theoria) October 11, 2019
台風前の準備や後片付け、情報収集のポイントなど書いてあるので、読んでおくとためになるかと思います。
まとめ
色々総合すると、
- 窓ガラスは基本的に風だけでは割れない
- 物が飛んでくると、テープ程度の補強では無力
- 飛んできた物でガラスが割れるのを防ぐには雨戸やシャッターを閉めることや木材を打ち付けるなどの方法しかない
- 窓ガラスの飛散を防ぐためにテープを貼っておくのは無駄とは言えない
といった感じでしょうか。皆様のご無事を祈っております。
文句
元のツイートの話なのですが、『論文が出ている』と言って具体的なソースを出さず、不安で窓にテープを貼った人を馬鹿にするような行為はどうかしらねとなります。また、エビデンスと言って微妙にズレた情報を提示しているのも気になります。テレビ番組の情報を論文と言って出すのは流石にどうかと思います。
そういえば今回の引用元のフィフィさんがツイートを消してしまったので信憑性が高まってしまったように見えて嫌ですね。あとフィフィさんがトレンドから引用しただけ!と逃げているのも嫌ですね。引用しておきながら各自調べろと言っているのもお前も調べずに投稿するなとなって嫌ですね。
※このツイートですが、タイトルはトレンドワードにあがった「養成テープ」からニュースを引用したものですが、この方法は効果がないとの意見も寄せられましたので、混乱を招くのを避けるためにも削除させて頂きました。効果については様々な意見もありますので各自でお調べになることをお勧めします。 pic.twitter.com/RsJxkie55z
— フィフィ (@FIFI_Egypt) October 10, 2019
まあなんだかんだ言って僕は窓にテープ貼らないんですが。